「ネコエイズ」という呼び名は通称で、正式にはFIV(猫免疫不全ウイルス)感染症という病気です。
先日、ご近所で保護されたというネコちゃんを診察させていただきました。身体検査も異常なし、糞便検査で猫回虫という寄生虫が見つかったものの、駆虫薬の飲み薬でやっつけることができます。1歳くらいの若い雄猫だったので他の猫とケンカしてウイルスの病気をうつされていないか血液検査でチェックしましたところ、FIVは陽性という結果でした。
FIVは感染してもすぐには症状は出ませんが、時間が経過し発症することで免疫力が低下することにより他の病気にかかりやすくなり、最終的に死にいたる危険な病気の一つで、一度FIVが感染すると猫の体内から消えることはありません。
FIVは感染ネコの血液や唾液中に含まれており、感染ネコと直接接触することでうつります(たとえばケンカのかみ傷から唾液を介して)。ちなみに、FIVはヒトにうつることはありません。
感染を防ぐためには、感染している可能性のある他のネコとは接触させないことが最も効果的です。家の外で生活しているノラネコ達は症状は無くても感染している可能性が高いので注意が必要です。
外にいたノラネコを保護しておうちにむかえるといった場合、今回のように症状が何もなくてもFIVを持っているかもしれません。もし、先住ネコがいる場合、FIVをうつされてしまう可能性もあります。
FIVに感染しているかどうかは血液検査で調べることが可能です。
また、高い予防効果(100%ではありませんが)のあるFIVに対するワクチンの接種もおこなっています。
新しいネコちゃんをおうちにお迎えする時にご心配の方は、是非ご相談ください。