神戸市中央区の動物病院 ひらやま動物病院です。

ひらやま動物病院は神戸市中央区の犬・猫のための動物病院です。

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TEL.
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内科

熱中症にご注意!!

7月になって毎日大変な暑さですね。

毎年この時期になると、当院にご来院されるみなさまにお伝えしていることがあります。

それは「熱中症にご注意!!」です。

犬は人間のように汗をかいて体温調節ができないので、呼吸によって体温調節をおこないます。

ですが、この気温では上手く体温は下がらず、もし炎天下で外出しようものなら、熱された地面と湿度の高い空気のせいで、高体温と脱水によって熱中症になってしまうことがあります。

熱中症により高体温になってしまうと、体の細胞を作る蛋白質が変性し、全身の内蔵が障害を受けます。

高体温が持続すれば障害も進み、多臓器不全により命の危険にさらされます。

この文章を書いている7月16日は3連休の真っただ中。この連休中は気温も高くなり熱中症の危険が増します。

日中のお散歩は絶対にやめてください。

また、夕方のお散歩も要注意です。日中に熱せられた地面のアスファルトは、夕方でもかなりの熱を持っています。しっかり日が暮れて、ワンコの体の高さの空気が熱くないかどうか確認してください。

注射、がんばった!

先日の診察にて。

つい先ほど、右腕の血管からの抗がん剤の注射が無事に終わりました。

実は、この子は多中心型リンパ腫という血液の細胞のがんの治療中なんです。

何の前触れもなく、徐々にあごの下のリンパ節が腫れてきて、細胞の検査を行った結果、リンパ腫と診断しました。

血液の細胞のがんですので、手術で治療することができません。しばらくは毎週一回の抗がん剤の注射や飲み薬が必要です。この子は初めの何回目かの抗がん剤治療の後、完全寛解(がん細胞が見つけられないくらい減っていて、リンパ節も全然腫れていない状態)に達しました。

リンパ腫は現在の獣医学でも根治はできません。治療によって症状の改善や生存期間の延長は期待できるのですが、再発したり、抗がん剤が徐々に効かなくなってしまえば最終的に命を失います。でも、積極的な抗がん剤の治療で寛解が続けば、その間(数週間の時もあれば、まれに数年の時もあります)は再発しないで普通の生活を送れることだってあります。

ぼく、がんばった!なんて声が聞こえてきそうな表情ですね。本当によくがんばった!

今年最初のマダニ!!

先日、ご近所をお散歩していて「マダニ」に寄生されたワンちゃんが診察にいらっしゃいました。

山の中でも草むらでもなく、本当にご近所をお散歩されていただけのようです。

専用の器具にて取り外したマダニの実際の写真がこちら。

 小豆くらいの大きさです。

当院におかかりの患者様には、私が診察中にしつこくお伝えしていますが、今一度お伝えします。

ノミやマダニはしっかり予防しましょう!!

特にマダニは人に対しては重篤な症状を引き起こし、場合によっては命にかかわる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病、日本紅斑熱などの伝染病を媒介します。

また、犬に対しては犬バベシア症という病気を媒介します。

この犬バベシア症とはかなり厄介な病気です。バベシア原虫という病原体が血液内の赤血球という細胞に感染し、発症すると赤血球が破壊され重度の貧血を引き起こし、命を失うこともある恐ろしい病気です。治療法はあるのですが、このバベシア原虫は適切に治療しても、体内から完全に駆虫することが難しく、生涯再発に注意しなくてはなりません。

ですので、ノミやマダニに寄生されないよう、しっかり予防しましょう。

予防薬には飲み薬や塗り薬など様々あります。診察中にご相談ください。

季節の変わり目にご注意

10月になって、少し肌寒く感じることも多くなりましたね。

この時期多いのが、「うちの子がお腹をこわしました」という患者様です。

季節の変わり目によるストレス?気温の低下による影響?散歩中に何か変なもの食べちゃった?

考えられる原因はたくさんありますが、おなかのバランスを崩してしまい、下痢だけでなく食欲不振や吐き気がみられることもあります。

また、中には単純な原因でなく、深刻な原因の下痢のこともありますので、注意が必要です。

ペットのお腹の調子が悪い時は、早めの受診をおすすめします。

これは皮膚病ですか???

当院におかかりのワンちゃん。

少し前から、お腹の皮膚にアザのようなものがでてきたとのこと。

⇐⇐薄赤い斑点のようなものがいくつもみられます。

飼主様 「かゆみは無いし、気にしてもいない。ぶつけたわけでもないのに何でしょう?皮膚病ですか?」

私 「!!、これは、皮膚病ではありません。血液検査をしましょう。」

 

検査の結果、血液の細胞の一種である血小板がほとんどないことが分かりました。

血小板は様々な病気が原因で減少することがあります。全身の検査の結果、免疫介在性血小板減少症という病気であることが分かりました。

 

この病気、自分の身を守るための免疫という働きがおかしくなってしまい、自分の細胞である血小板を破壊してしまう病気です。

血小板がほとんどなくなってしまったので、出血を止めることができず、おなかの皮膚にいくつも皮下出血を起こしてしまっていたのです。

この子は幸い、免疫をおさえるお薬の一種であるステロイド剤が良く効いてくれました。

徐々にお薬を減らすことができて、今ではお薬を飲まなくても大丈夫になりました。

⇐⇐斑点は消えました。

ですが、この病気はお薬が効きにくい場合もあり、出血が止まらず命を失うこともあります。

身に覚えの無いアザを見つけたら、早めの受診をおすすめします。