日々診察をしていると、たまにこんなことがあります。
飼い主さん「さっき遊んでいて、おもちゃを飲み込んでしまいました、どうしましょう?」
私「ワンちゃんの具合はどうですか?苦しそうにしていませんか?どのような形でどれくらいの大きさですか?材質は?硬い?柔らかい?」
身体検査と問診でこの後どうするべきかを考えます。
異物がレントゲンに写るようなものなら大きさの把握ができますが、そうでなければ飼い主さんのお話から形や大きさを推測したり、同じものを持ってきてもらってどのようにすべきか考えます。
柔らかそうで吐き出しても大丈夫そうであれば催吐剤(吐かせるお薬)を使って吐かせます。しかし、硬いもの、とがったもの、大きすぎるものは吐かせることで食道に傷をつけたり詰まったりと危険が多いので、手術で取るしかありません。とがっていても小さく、食道を傷つけない場合は内視鏡(胃カメラ)で取れることもありますが、全身麻酔が必要になります。
先日、ゴールデンレトリバーの女の子がおもちゃを飲んでしまったため来院されました。お話を聞くと別に体調に異常は無く元気そうです。身体検査でも異常はありませんでした。残念ながらレントゲンにはっきり写る材質ではなかったようですが、レントゲン写真を撮ってみると少し怪しい影が見え大きさの確認ができました。飲み込んでしまったおもちゃはクッション状で柔らかく、何とか吐き出せるギリギリの大きさと考え、吐かせる処置を行いました。出てきたものがこちら⇓⇓。
何度か嘔吐した後、何とか吐き出してくれました、よかった。
かなり大きめで、もし腸に詰まってしまったら手術が必要だったかもしれません。
その後、胃粘膜保護剤を処方し、ワンちゃんも飼い主さんも安心した様子でお帰りになりました。
異物誤飲は飼い主さんが注意して行動を見てあげたり、飲み込みそうなおもちゃは与えないようにするしか予防法はありませんが、たまに信じられないような大きなものでも飲み込んでしまうことがあります。
もしワンちゃんが異物を飲み込んでしまったときは、できるだけ早く動物病院を受診することをお勧めします。