当院には看板猫のすずがいます。
現在生後5カ月半ですが、いろいろなものに興味があります。窓の外に見える車や人の動きを飽きずに観察するのが日課です。ときどき受付にひょっこり現れて皆様にごあいさつすることがありますが、基本的に診察時間中は自分の部屋で遊んでいるか寝ているので診察の邪魔をすることはありません。
子猫は生後3~7週齢になると、兄弟猫や親猫と一緒にあちこち動き回り、初めて目にする色々な物を見たり聞いたり触ったりしてその刺激を経験していきます。このような時期を「社会化期」といい、この時期だけ子猫たちは初めて目にするたくさんの刺激を柔軟に受け入れることができるといわれています。猫の性格は、持って生まれた天性の性質と、この生後3~7週の「社会化期」と呼ばれる時期にどのように過ごしたかで決まります。
「社会化期」にいろいろな経験をすることなく、同じ人とばかり過ごしていると、極端に臆病になったり、人見知りが激しく、攻撃的になったりすることがあります。しっかりと社会化された社交的な猫に育てるには、子猫の頃の豊富な経験がなによりも大切ですが、家の外に出てしまうと恐ろしい感染症をもらってきたり事故にあってしまうかもしれないので、飼い主さんが家の中で色々なことを経験させてあげてみてください。たとえば、家族以外の人(友人や親戚の方)に家に来てもらったり、きちんとワクチン接種を受けている知り合いの愛猫と飼い主さんを自宅に招いて接する機会を設けたり、予防注射やノミ予防の機会に動物病院のことを経験してみるなどです。
なお、動物病院に来院されるときは必ず移動用のケージなどを使い、絶対に外に飛び出さないように気をつけましょう。