当院におかかりのワンちゃん。
少し前から、お腹の皮膚にアザのようなものがでてきたとのこと。
飼主様 「かゆみは無いし、気にしてもいない。ぶつけたわけでもないのに何でしょう?皮膚病ですか?」
私 「!!、これは、皮膚病ではありません。血液検査をしましょう。」
検査の結果、血液の細胞の一種である血小板がほとんどないことが分かりました。
血小板は様々な病気が原因で減少することがあります。全身の検査の結果、免疫介在性血小板減少症という病気であることが分かりました。
この病気、自分の身を守るための免疫という働きがおかしくなってしまい、自分の細胞である血小板を破壊してしまう病気です。
血小板がほとんどなくなってしまったので、出血を止めることができず、おなかの皮膚にいくつも皮下出血を起こしてしまっていたのです。
この子は幸い、免疫をおさえるお薬の一種であるステロイド剤が良く効いてくれました。
徐々にお薬を減らすことができて、今ではお薬を飲まなくても大丈夫になりました。
ですが、この病気はお薬が効きにくい場合もあり、出血が止まらず命を失うこともあります。
身に覚えの無いアザを見つけたら、早めの受診をおすすめします。