先日の診察にて。
つい先ほど、右腕の血管からの抗がん剤の注射が無事に終わりました。
実は、この子は多中心型リンパ腫という血液の細胞のがんの治療中なんです。
何の前触れもなく、徐々にあごの下のリンパ節が腫れてきて、細胞の検査を行った結果、リンパ腫と診断しました。
血液の細胞のがんですので、手術で治療することができません。しばらくは毎週一回の抗がん剤の注射や飲み薬が必要です。この子は初めの何回目かの抗がん剤治療の後、完全寛解(がん細胞が見つけられないくらい減っていて、リンパ節も全然腫れていない状態)に達しました。
リンパ腫は現在の獣医学でも根治はできません。治療によって症状の改善や生存期間の延長は期待できるのですが、再発したり、抗がん剤が徐々に効かなくなってしまえば最終的に命を失います。でも、積極的な抗がん剤の治療で寛解が続けば、その間(数週間の時もあれば、まれに数年の時もあります)は再発しないで普通の生活を送れることだってあります。
ぼく、がんばった!なんて声が聞こえてきそうな表情ですね。本当によくがんばった!