神戸市中央区の動物病院 ひらやま動物病院です。

ひらやま動物病院は神戸市中央区の犬・猫のための動物病院です。

〒651-0062 兵庫県神戸市中央区坂口通4丁目2-21


TEL.
078-221-3711 専用駐車場3台有
内科

子猫の社会化期

当院には看板猫のすずがいます。

suzu2

現在生後5カ月半ですが、いろいろなものに興味があります。窓の外に見える車や人の動きを飽きずに観察するのが日課です。ときどき受付にひょっこり現れて皆様にごあいさつすることがありますが、基本的に診察時間中は自分の部屋で遊んでいるか寝ているので診察の邪魔をすることはありません。

子猫は生後3~7週齢になると、兄弟猫や親猫と一緒にあちこち動き回り、初めて目にする色々な物を見たり聞いたり触ったりしてその刺激を経験していきます。このような時期を「社会化期」といい、この時期だけ子猫たちは初めて目にするたくさんの刺激を柔軟に受け入れることができるといわれています。猫の性格は、持って生まれた天性の性質と、この生後3~7週の「社会化期」と呼ばれる時期にどのように過ごしたかで決まります。

「社会化期」にいろいろな経験をすることなく、同じ人とばかり過ごしていると、極端に臆病になったり、人見知りが激しく、攻撃的になったりすることがあります。しっかりと社会化された社交的な猫に育てるには、子猫の頃の豊富な経験がなによりも大切ですが、家の外に出てしまうと恐ろしい感染症をもらってきたり事故にあってしまうかもしれないので、飼い主さんが家の中で色々なことを経験させてあげてみてください。たとえば、家族以外の人(友人や親戚の方)に家に来てもらったり、きちんとワクチン接種を受けている知り合いの愛猫と飼い主さんを自宅に招いて接する機会を設けたり、予防注射やノミ予防の機会に動物病院のことを経験してみるなどです。

なお、動物病院に来院されるときは必ず移動用のケージなどを使い、絶対に外に飛び出さないように気をつけましょう。

初めての混合ワクチン接種

以前の記事で出産をお手伝いさせていただき無事に生まれたマルチーズの赤ちゃん二人。

hanachacha2

すくすくと元気に成長し、先日、生後2か月を迎えたので初めての混合ワクチンを接種しました。

来月には二回目の混合ワクチンを接種予定です。

混合ワクチン(いわゆる予防注射)についてご存知の方も多いと思いますが、ここで少しお伝えしたいと思います。

ヒトと同じく、イヌにもウイルス性の伝染病が存在します。ウイルスに感染し伝染病にかかってしまうと、ウイルス自体をやっつける特効薬がないため治療は困難で、子犬のような体力のない時期に感染してしまうと死に至ることもあります。ワクチンには、このような伝染病に対する抵抗力(免疫)をつける効果があります。

生後1年目のワクチンは4週間~1ヶ月間隔で2回~3回の接種が必要(2回か3回かは最初のワクチン接種の時期によります)で、次の年からは1年に1回の接種となります。

当院で使っている注射は6種混合ワクチン9種混合ワクチンの2種類です。

6種混合ワクチンはその名の通り6種類のウイルスによる伝染病を予防する効果があります。また、9種混合ワクチンは先に述べた6種に加え、3種類のレプトスピラ病の予防効果があります。

どちらのワクチンを接種するかはそのワンちゃんの活動範囲や生活スタイルを考えて決める必要がありますので、お悩みの場合はご相談ください。

 

誤食に注意!!

日々診察をしていると、たまにこんなことがあります。

飼い主さん「さっき遊んでいて、おもちゃを飲み込んでしまいました、どうしましょう?」

私「ワンちゃんの具合はどうですか?苦しそうにしていませんか?どのような形でどれくらいの大きさですか?材質は?硬い?柔らかい?」

身体検査と問診でこの後どうするべきかを考えます。

異物がレントゲンに写るようなものなら大きさの把握ができますが、そうでなければ飼い主さんのお話から形や大きさを推測したり、同じものを持ってきてもらってどのようにすべきか考えます。

柔らかそうで吐き出しても大丈夫そうであれば催吐剤(吐かせるお薬)を使って吐かせます。しかし、硬いもの、とがったもの、大きすぎるものは吐かせることで食道に傷をつけたり詰まったりと危険が多いので、手術で取るしかありません。とがっていても小さく、食道を傷つけない場合は内視鏡(胃カメラ)で取れることもありますが、全身麻酔が必要になります。

先日、ゴールデンレトリバーの女の子がおもちゃを飲んでしまったため来院されました。お話を聞くと別に体調に異常は無く元気そうです。身体検査でも異常はありませんでした。残念ながらレントゲンにはっきり写る材質ではなかったようですが、レントゲン写真を撮ってみると少し怪しい影が見え大きさの確認ができました。飲み込んでしまったおもちゃはクッション状で柔らかく、何とか吐き出せるギリギリの大きさと考え、吐かせる処置を行いました。出てきたものがこちら⇓⇓。

ibutugoin

何度か嘔吐した後、何とか吐き出してくれました、よかった。

かなり大きめで、もし腸に詰まってしまったら手術が必要だったかもしれません。

その後、胃粘膜保護剤を処方し、ワンちゃんも飼い主さんも安心した様子でお帰りになりました。

異物誤飲は飼い主さんが注意して行動を見てあげたり、飲み込みそうなおもちゃは与えないようにするしか予防法はありませんが、たまに信じられないような大きなものでも飲み込んでしまうことがあります。

もしワンちゃんが異物を飲み込んでしまったときは、できるだけ早く動物病院を受診することをお勧めします。

犬の出産

先日、当院におかかりのルルちゃん(マルチーズさん)が無事に出産を乗り越えました。

rurubabe 

かわいい女の子二人です。今回の出産は、オーナーさんはとてもしっかり勉強され、準備も万全、出産計画の段階から当院にご相談いただき、出産の日をむかえました。ご自宅での出産なので、緊急時にも対応できるように私と細かく連絡を取り合いながら、一人目はご自宅で自力出産、二人目は当院で助産し出産しました。子犬が産声をあげる瞬間は、何度経験しても感動で胸が熱くなります。

昔は「犬は安産・・・」と言われていたそうですが、実際は「犬のお産ってめっちゃ大変!」というのが正直な感想です。

診療をしていると小型犬の難産を経験することが多く、場合によっては帝王切開の手術が必要になります。無事に出産が終了しても母犬が子犬の世話をしない場合、人が付きっきりで何日も世話をしなければいけません。

それでも、「子犬を産ませたい!」という場合は、しっかりとした準備と相当な覚悟が必要です。

犬のお産についての勉強を妊娠させる前にしっかりすることや道具などの準備は最低限必要な事ですが、最も重要な事は事前にホームドクターの獣医さんに相談しておくことです。事前に相談することで、出産予定日前後のスケジュールをあけてくれたり、難産などの緊急時に対応ができたりします。

しかし、事前の相談なしに「あと3日で産まれる」とか「今、難産で困っている」といったことは、当院をはじめ多くの動物病院は急に対応できません(予定日に獣医師が不在、帝王切開の手術に人手が足りない等)。必ず事前に獣医さんに相談しておきましょう。

マダニ注意報!!

6月も後半になり、気温も上がってきましたね。
家の外の虫たちも活発に動き回る時期になってきました。
最近たて続けにマダニにかまれた患者さんを診る機会がありました。
下の写真は別々の患者さんから引っこ抜いたマダニです。↓↓
DSC00955

散歩コースは山の中や茂みの中ではなく、身の回りの歩道と道のわきにある草むら程度ですが、それでもマダニは潜んでいます。
マダニはイヌに寄生し吸血することで、イヌの血液にバベシアとよばれる原虫を感染させ、命をおびやかす貧血を起こさせます。
また、近年は人がマダニにかまれることでSFTSウイルスに感染し死亡する報告が新聞やニュースなどで伝えられています。

マダニは月1回の予防薬(首すじにたらす外用薬や錠剤タイプの飲み薬)で予防できます。
これからますますノミやマダニが増える時期になりますので、しっかり予防していきましょう。